渕崎歯科医院

訪問診療について

歯周病

「歯周病は歯周病菌による感染症」だということを知っていましたか?

例えば、風邪はウィルスによる感染症ですが、同じ感染症なのになぜ風邪は薬を飲むと治るのに歯周病にはそういう治療法がないのでしょう?

そういった疑問から研究され、ついに原因である菌を特定し、薬でその菌を退治することができるようになったのです。

この治療法は21世紀に入ってから行われている最新式の治療方法で「顕微鏡を使った歯周内科治療」です。

歯周病とは?

歯をなくす原因のNO.1は実は歯周病なのです。日本人の約50%がこれで歯を失っています。

その割には、どんなものかあまり知られていないのではないのでしょうか?

歯周病は、歯の周りに付着している歯ぐきが、汚れや細菌(歯周病菌)の出す毒素によって剥れていく病気です。

(このように歯の周りから起こる病気なので歯周病といいます。)

歯の周りの骨が溶ける病気ですから、進行すると歯がぐらつき、ついには抜けてしまいます。

さらに、歯周病は、生活習慣病の1つとされ、糖尿病、心臓病、早産などの原因にもなると言われています。

歯周病の治療は、プラークコントロールが基本です。

歯科医院での歯磨き指導と歯石を除去したりする歯の周りのお掃除といった基本的な治療をします。

しかし、この基本的治療をしても、一生懸命歯磨きをしてもなかなか治らず、歯周病に悩まされている方が多いです。そこで、多くの歯科医師が知恵を出し合った結果生まれたのが「薬で歯周病を治す 歯周内科治療」なのです。

歯周内科治療とは?

歯周内科治療=「お口(歯周病)の除菌治療」

除菌方法は、モニターを用いた顕微鏡検査によりお口の細菌の種類や数などを検査し、その細菌に合うお薬や歯磨き粉を用いてお口の中をきれいに除菌するので確実です。歯周病が進行していない場合でも、除菌方法を行うことにより、これからの歯周病が進行しにくくなるため、最適な予防法ともいえます。

期待される効果

  • 口臭がなくなる
  • 歯の動揺がましになる
  • 歯磨きのときの出血がなくなる
  • 赤かった歯ぐきがピンク色になる
  • ぶよぶよの歯ぐきがひきしまる
  • ネバネバ感が消える
  • 歯がつるつるになる

歯周内科治療の治療方法

この治療方法には4つの大きなポイントがあります。

  • 位相差顕微鏡による菌の確認
  • 細菌の除去薬剤の内服
  • カビの除去薬剤あるいはカビとり歯磨き剤での歯磨き
  • 除菌後の歯石とり

特に1は、非常に大きなポイントです。位相差顕微鏡でお口の菌を確認しなくてはなりません。歯周病菌がいるのか、カビが多いのか、あるいは非常にきれいなのか。位相差顕微鏡で確認しないと、お薬の選択ができないのです。

歯周病菌を見る顕微鏡の画像

「歯周病菌を見る顕微鏡」

顕微鏡でお口の中の菌の状態を確認することができ、歯周病菌がいるのかどういう状態になっているのかを観察することにより、お薬の選択ができるのです

術前・術後の画像

再発を予防するには

  • 歯周病は細菌による感染なので、再感染に気をつけましょう。特に性感染に気をつけましょう。
  • 歯周病を起こす細菌が感染しにくいように、お口の中を清潔に保つようにこころがけましょう。
  • 歯石やカビ菌を定期的に除去して、毎日の適切な歯磨きをしましょう。
  • 歯周病を起こす細菌が再感染していないか、また、お口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院での顕微鏡を用いた定期検診を受けるようにしましょう。

また、回し飲みや回し食い、箸の使いまわし、キス、くしゃみなど空気中や食べ物、手や指から菌がお口の中に入り、歯周病を発症させる可能性があります。

歯周病が進行する前に、そのときのお口の状態に合わせ、歯石を取ったり、場合によっては除菌して治すようにします。

歯周病ポケット検査について

「あなたは歯周ポケット検査をされた事がありますか?」

当院の初診の患者様で、ほぼ全員の方が他院・企業検査等でハブラシ指導・歯石の除去をされています。しかし、歯周ポケット検査を受けられた事のある方は5%~10%程しかいらっしゃいません。歯茎の中をよく調べる事で、歯周病の進行状態や回復状態をチェックする事ができます。これが歯周ポケット検査です。

歯周病ポケット検査の画像

歯周ポケットとは?

歯のまわりの歯肉の溝が歯周ポケットです。健康な歯肉の溝は 1~2mmです。 小さなお子様から年配の方まで、又、人種に左右されません。

歯周ポケットの検査法

頬(唇)側、舌(裏)側の3ヶ所(近・中央・遠) 計6ヶ所を計測します。(立体的)

奥歯は下が2つの根、上が3つの根(患者様により1~4本と異なります)があり、根と根(根分岐部)の状態、出血の有無、歯の動きも検査します。腫れていたり、炎症が強いと少し痛みを感じる事があります。

例えば、手のひらは厚いのでたたいても痛くありませんが、ケガをすれば炎症が起き、少し押すだけでも痛みを感じます。歯肉の炎症はぶつける事によりおきる訳でなく、プラークや歯石が原因なのです。

歯周病は気付かない間に進行する怖い病気です。

「あなたはどういう時、歯科医院に行かれますか?」 ヨーロッパでほとんどの回答は、

「虫歯や歯周病にならない様、クリーニングしてもらう為に行く。」となっています。

またニューヨークのビジネスマン、キャリアウーマンの80%位が、「年3~4回の定期健診をする」と報告されています。

同じ教授がスタッフ10人の歯科衛生士さんに自分の口の中を10分間、歯ブラシ・フロス・歯間ブラシ等でクリーニングしてもらい、染め出ししたところ、一番磨けていた人で95%、平均90%位だったそうです。

自分では、うまく磨けないところが、どなたでもあるものなのです。

日本では「痛い」「腫れた」「取れた」で歯科医院に行く事が多いのではないでしょうか?

あなたの健康のため、まずはお気軽にご来院ください。